
年忌の入った古びれた本の写真で失礼いたしますが、この本は私のパン作りのバイブルなのです。うん十年前、当時、高校生だった時に買ったものです。
この本の著者、島津睦子さんをはじめて知ったのは、NHKの料理番組「きょうの料理」でした。
それまでの私は、家のオーブンに付属しているレシピ本を見ながらパンを作っていたのですが、できあがるのはいつも硬いパンばかり。「本の通り作っているのになんで?」と悔しくて仕方がありませんでした。当時は、インターネットで情報を得るのも限られていて、手元にあったその本だけが頼りだったので、何度か挑戦するのだけど、ちっともうまくいかなくて、途方にくれていました。
そんなとき、新聞の番組欄を見ていたら、「きょうの料理 パン作り」とあったのが目に入りました。「これは絶対見なくちゃ!」とうれしくて、わくわくしながらテレビの前でチャンネルを12に合わせ、夜9時になるのを待っていたのを覚えています。そして、チャッチャラチャラチャラ、チャチャチャー♪と、聞き慣れた音楽とともに現れたのが島津睦子さんでした!
いざ、パンを手でこねている姿を目にしたときには、その軽やかで機敏な動きに、はっと心を奪われたのを覚えています。生地をさわる手の動きも実に鮮やかで、見入ってしまいました。島津睦子さんは、「パン作りはスポーツです」というようなことをおっしゃっていて、こねるのにちょうどよい体の動かし方を丁寧に説明してくださっていました。
後日、その動きをまねしてこねると、そんなに力もいらないですし、リズミカルにこねることもできて、「あー、手ごねって楽しい!」と目からうろこの思いでした。そして、なんといっても、その方法ではじめて柔らかいパンを焼くことができたのです。
あのときの喜びといったら!
今でも鮮明に覚えています。
そして、次の日には、島津睦子さんのパンの本を手に入れたい一心で本屋さんに駆け込んだのでした。
他にもあったパンの本には目もくれず、手にとった本が冒頭の写真の本。手ごねのコツを知ったことで満足していた私だったのですが、この本には、手ごねの先のもっともっと奥深い、パンの世界が全て網羅されていました。なんて素敵な本を手にいれたんだ!と、これぞ運命の出会い!といっても過言ではないかもしれません。
そんな本を手に、わたしが次に作ったパンはというと、、、、。それはまた次回に!



